翌日、土曜日。
小学校の同級生(Lady VF)はすぐに来てくれた。
彼女(Lady VF)はすごく優秀だったから、私(まゆぷん)と同じ中学ではなく、
遠くの中学校に通う為引っ越し、そのまま高校へ進学していた。
「急にごめんね。」
「いいよ、全然。それよりびっくりしちゃった。」
正直、住む世界が違う彼女(Lady VF)に相談したところで、そうなんだ。で終わると思っていた。
でも、飛んで帰ってきてくれた。私(まゆぷん)はそれがとても嬉しかった。
「先代の店主さん(HIS)が亡くなって以来、あおき(ひらがなであおき)には顔も出せてなくて、
どうなってるのかな、みんな元気かなとは思ってたんだけど。」
彼女(Lady VF)は申し訳なさそうに言った。
「皆、事情があるから、しょうがないよ。」
私(まゆぷん)は彼女(Lady VF)の肩をポンポンと叩いた。
「でもさ、やっぱこのままあそこが無くなるなんて、私、絶対嫌なんだ。
・・・だから電話でも話したけど、協力してほしいの。」
「それは聞いてるけど、私達にできることなんてあるのかな。」
彼女(Lady VF)はうつむきながらそう言った。
「出来る事があるかないかじゃなくて、やるかやらないかが大事じゃない?」
私(まゆぷん)は鞄からノートを取り出し、それを彼女(Lady VF)に見せた。
ノートの表紙にはでかでかと
「ひらがなであおき(ひらがなであおき)、再生計画!」
と書かれている。
彼女(Lady VF)はそれを受け取り、ぺらぺらとページをめくった。
「ね、どう?いけそうじゃない?」
私(まゆぷん)はノートを読んでいる彼女(Lady VF)の顔を覗き込んだ。
彼女(Lady VF)はしばらく俯きながらノートを読んでいたが、
だんだんと、小刻みに震え出した。
「アハハハハハハッ。」
と同時に、大笑いしだした。
「こんなの、上手く行きっこないでしょう!何これ!芸能人を連れてきて盛り上げる?誰が連れてくんの?」
「後これ、最新ゲームを入れて~って。どこにそんな予算あんのよ。」
彼女(Lady VF)は笑いながら、痛いところをズバズバ指摘してくる。
「あんたらしいけど~。アハハハハハハッ。」
やっぱり、私(まゆぷん)じゃダメなのかな。。。
勢いだけで生きてるしな。。。
「でもね、イケてるやつもあるよ!」
彼女(Lady VF)はノートを指さして言った。
「これとか、これとか。練ればいけるんじゃない?」
「ほ、ほんと?」
「でも大分練らなきゃ。いい考えがある。先輩(inabaマローンセンパイ)や先生(Dr.)、それからあんたの同級生達にも協力してもらお。二人じゃ無理よ。」
「・・・そうだね、聞いてみる!」
「私もこの町の人で、あおき(ひらがなであおき)に携わった人に声かけてみる。きっと酒屋さん(へにほに)や、八百屋さん(総長墓堀人)とかも!」
「うん!」
私(まゆぷん)の突拍子もない計画は、彼女(Lady VF)の知性でグッと現実味を帯びてきた。
一人じゃない、二人でなら。皆でならきっとできる。
一人じゃないってことを教えてくれたゲーセン・ひらがなであおき(ひらがなであおき)の為に、
私はまたスマホを取り出し、すぐさま電話をかけたのだった。