【ゲームの想い出】FF4 ーゲームばかりすることは本当にろくでもないことなのかー

山田哲子

ゲームの想い出第二弾、今日はFF4ことファイナルファンタジー4について語っていきたいと思います。

このFF4は、私にとって初めてのRPGでした。

本当は長くなりそうだし、もっと別のゲームの話をいつもの緩い感じで書き綴ろうと思っていたのですが、少し前に話題になった「先生がオメガを倒したら宿題やってきてやるよ」と生徒が言ったので、わたしはゲームライターになった のnoteを読ませていただいたことと、昨今のゲーム依存症対策条例などについて思うところがあったので、この機会に書きとどめておこうと思い、FF4を先に取り上げることにしました。

当時たしか小学校4年生くらいだったと思います。ゲーム好きだった父親がクリアした後、父がやっているプレイ画面をみて、ちょっとやってみたいな、と思ったのが始まりです。

初めて、というのは特別感があります。
初恋の人、初めて食べたもの、初めて行く場所。。。
いろんな初めてが存在しますが、それは当事者にとっては特別になることが多い気がします。

FF4を経験した後、私は様々なRPGを今現在に至るまで経験することになりますが、それでも私にとって初めて経験したFF4は今も忘れられない、特別なゲームです。

一番面白かったRPGは?
好きなRPGを3つ挙げて!

こういった質問をされたときにFF4が入ることはありません。

それでも、私にとってFF4は特別なのです。

話を聞く、ヒントを貰う、先に進む。
そんなRPGの基本ですらわからなかった私ですが、魅力的なキャラクター、素敵なストーリー、そしてそれを自分で進ませることができるということに感動し、どんどん取り憑かれて行きました。

当時、私は肥満児で、運動は苦手、勉強もできる方ではなく、忘れ物はひどく、家で本ばかり読む子でした。
ゲームもしていましたが、取り立てて上手くもなく、根気もなく、当時のゲームが今のゲームよりシビアだったとはいえ、クリアするまでやったゲームというのは、当時、皆無でした。

しかしRPGというのは、本の持つ物語の素晴らしさ、映画やアニメの持つ美しさ、それらを自分が動かしていけるという、自分にとってかつてない経験がそこに存在したのです。

決して現実で主人公になることのなかった私が、FF4では頼られ、誰かを助けることができたのです。

それからというもの、私は学校から自宅に帰ったら、即座にFF4をプレイするような毎日を送りました。

親もゲームが好きだった為、特に何も言われませんでしたが、親の部屋でプレイしていたので、たまに見に来たりしていました。

戦闘の概念や効率などもわからない私は、「たたかう」だけでなく、FF4にある各キャラクターの特殊技(パロムとポロムの「ふたりがけ」等)もバンバン使っていましたが、両親は「そんなもの使ったことなかった、面白いね」と言っていたり、LとRで戦闘から逃げることができるのを知った私に対し「そんなことできるの!?」と言っていたのをよく覚えています。

私もこの初めてのRPG以降、効率やどの行動やアイテムが強いかばかりを考えてしまい、今はそういった挑戦的なことや非効率なことをしなくなってしまいました。

きっと私の両親もそうだったんだろうと、今は思います。

そして無我夢中で進めた最後のボス。
私は話を進めたいがあまり、かなり戦闘から逃げてしまい、とてもレベルが低いまま、最後のボスまで辿り着いてしまいました。

今思うと、よく辿り着けたな?と思うくらい戦闘から逃げていました。
ラスボス以外のボスもかなり苦戦した記憶がうっすらとあります。
それでも運だったり、謎のアイテムを駆使したりして、なんとなくラスボスまで辿り着いたのです。

ただ、ラスボスだけは
何度挑戦しても、何度挑戦しても
なかなか倒すことができませんでした。

どうしても倒すことができなかった私は
先にクリアした父に尋ねることにしました。

「ボスが倒せないの、どうしたらいい?」

父は私のデータをみて一言

「レベルが低すぎる、レベル上げしないとだめだよ。」

と。

その時に私は『レベル上げ』というものを知りました。

今でこそ、強くなることがわかっているからレベル上げが楽しい私ですが、当時は話も進まない、延々行ったり来たりを繰り返し、これの何が楽しいかと。
自問自答しながら渋々とレベル上げをしました。

今まで逃げて逃げて逃げたツケを回収すべく、必死にレベル上げをし、だいたい父がやっていたセーブデータのHPと同じくらいになった時に、再度ラスボスに挑戦。

見事撃破することができました。

そして、エンディング。
長い間付き合ってきた仲間たちとお別れです。
私は小学生ながらに、たくさん泣きました。

初めてクリアまでゲームを頑張れたこと
レベル上げを頑張ったことが報われたこと
FF4の世界に平和が訪れたこと

そして

FF4を始めてから毎日のように一緒だったセシル達と
お別れしなければならないこと

エンディングを見ながら色んな気持ちがごちゃ混ぜになりながら、ひしひしと泣いていたことを昨日の事のように思い出します。

それから1週間はぼーっとFF4の世界の事ばかりを考えていました。

いつか私もあんなRPGのお話を作りたいな。
そんなことも考えていました。

RPGを1本クリアした

ただそれだけの事だったのですが、小学4年生の私にとっては、
主人公になって、誰かに必要とされて、誰かを助け、仲間を作って、そしてレベル上げなどの努力をして、達成するという、
現実世界でデクの私には、決して経験できないたくさんのことを
FF4は教えてくれました。

FF4をクリアしたからといって、急に活発になったり、成績が上がったとか、いじめられなくなったとか、自信がついたとか、そんな急激な変化はありませんでした。

ただ、私という人間が作られていく過程の、
大切な1項目であったであろう、と思います。


ゲームは害悪だ、といった意見が令和の今でもちらほら見かけます。

令和によみがえった「ゲーム脳」の“亡霊” ゲーム依存症対策条例案なぜ総ツッコミ受ける?

この記事にもあるように、ゲームに限らず、サッカーだろうがなんだろうが、勉強の時間削ってたら、そら勉強できないよね、と私も思います。

なんだってやり過ぎはよくない、というだけであり、体に良いビタミン剤だって飲み過ぎれば体に害を及ぼします。

私が子供の頃は「漫画を読んだらバカになる」といった話もありましたが、最近では「漫画は活字を読む訓練としては優れている」といった意見もあり、漫画でもいいから読んでる子の方が、将来読書する可能性や読書習慣がつく可能性が高い、といった意見もでています。

やることをやるべき時間にやっておけば、ゲームに限らず、熱中できることがあることはいいのではないでしょうか。

FF4を皮切りに、様々なゲームに打ち込み、
バーチャファイターという格闘ゲームにハマって、
人生のレールを大きくねじ曲げた私は、

「ゲームをしていたけど立派な大人になりましたよ」

と胸を張って言えるような大人ではありません。

ただ、ゲームをしていなかったら出会えなかった、
かけがえない人達のことを考えたり、

ゲームがなかった場合の想像の自分と
今の自分を鑑みると

様々なことがあって、嫌な目にあったこともたくさんあるけれど、
それ以上に今が幸せだと思えるので、

やっぱりゲームと出会えてよかったと、そう思うのです。

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